「理由がさっぱりわからないんですよね~。
 でも、和菓子は作れるようになりましたしね。

 混ぜるだけのプリンも作れましたよ」
とめぐるが言うのを聞いて、健が、

「そうかあ。
 混ぜただけなんだ~とか思っちゃってごめんね。

 めぐるちゃん、大変な思いして作ったんだね。
 よく味わって食べるよ」
と言ってくれるが、後ろから、百合香が、

「いや、普通に鼻歌歌いながら、作ってたよ」
とカウンター越しにバラしてくる。

「でも、おいしいですよ。
 懐かしい、青春の味です」
と師匠も喜んでくれた。