「俺とちょっと似ているな、お前」
「え?」

 師匠たちやルカが帰ったあとも何故か残っていた田中が言う。

「子どものころ、屋根が雨漏りしたとき、うちに来た大工さんが将棋が強くてな。

 休憩時間につきあってるうちに、近くの将棋道場に連れていかれて。

 そのうち、今の師匠を紹介されて。

 でも、なんかどうなんだろうと思って、ちょっと将棋から離れて。

 また戻ってきて、今に至ってるんだが」

「結構蛇行してますね」
とめぐるは笑う。

 そういえば、この間、雄嵩に蛇行していた話は聞いた。