田中さん、とめぐるは、まだ襖の陰にいる田中を振り向く。

「やっぱり、無になるお菓子は無理です」

 めぐるは、よく考えたら当たり前な結論をつけた。

「……いや、こちらこそ、無理を言って悪かった」

 そう田中に謝られたが。

 田中が真剣だったのもわかるし。

 今回の件、自分にとってのお菓子がどいういものなのか、見つめ直すいいきっかけになった。

 そうみんなに告げると、雄嵩が、
「……それはいいんだが。
 どうするんだ、このねりきりの山」
と和室を振り返りながら言う。