私が話し終わると、私の手に朔の手が突然重なった。



その手は、朔の胸におさまる。


規則正しく脈打つ心臓。走った後のような速い鼓動が、私の手に伝わってくる。





「…俺の心臓、バクバク言ってるの分かる?」


「うん。分かるよ」


「めっちゃドキドキしてんの。茅柴が嬉しいって言ってくれて。俺のこともっと知りたいって言ってくれて、俺も嬉しい。俺のこと、もっと知ってよ」


「うん。ありがとう」





朔に謝れた。ちゃんと気持ちを伝えられた。



でも、まだ本当の。一番伝えたい気持ちが伝えられていない。