今日は朔に自分の気持ちを伝えると決めたから、頭痛ぐらいで学校は休みたくない。


それに、薬を飲めば治ってくる。



そう思って家を出る前に薬を飲んだけど、一向に治りそうになくて、授業に集中できなくなって手を挙げた。





「先生…頭痛くて。保健室で休んできて良いですか?」


「おぉ。大丈夫か?一人で行けるか?」


「はい。すみません」




誰の声も今日は耳に入ってこない。



近くの席のみづきの〝大丈夫?〟の声も、隣の席の朔の心配そうな表情も、情報として入ってくるけど、それを上回る頭痛が邪魔をする。




フラフラしながら廊下を伝い歩き、突き当たりにある保健室に着くまで、やけに時間がかかった。