考えすぎて走るスピードが落ちてきた頃、左隣を走るみづきが私の肩を叩く。




「尚。あんまり深く考えない方が良いんじゃない?尚は悩み始めると、すぐ脱線するから。少しでも気になるんなら、踏み込んでみても良いと思うけどな」


「…みづきは、私より私のこと分かってるよね」


「親友だからな」


「ありがと。脱線しないようにするよ」





親友って大事だな。自分を見失っても戻してくれる子が居て、悩みにも真剣に答えを出そうとしてくれる。



心が温かくなる。親友の優しさに、固くなった考えが緩んで、涙腺も一緒に少し緩んだ。