「伝えなきゃ、分かんないでしょ?」


「分かるよ、茅柴のことは」


「嘘だ。矢吹くんに、言わなきゃ伝わらないって言われたよ?」


「じゃあそのネックレスは?何で外さなかったの?」




言われてハッとした。


朔と別れたいと言ったのに、自分と一体化したネックレスのことは意識していなかった。




「気づいてなかった…」


「言わなくても伝わることはあるよ。茅柴って、可愛いおっちょこちょいなんだよね」




隣に座り直した朔は私をじっと見つめた後、何も言わずに私を抱きしめた。


私も応えるように、朔を抱きしめ返す。