朔に借りた体操服を、保健室のベットのある部屋で着替えていると、カーテン越しにみづきの声が聞こえた。




「尚。話聞いてたのに、何も力になれなくて、ごめんね。矢吹くんから尚のこと聞いた時、近くに居ればこんなことにならなかったのにって思った。思っただけじゃ遅いんだけどね」


「みづきがそんなの、思うことないよ。一人じゃないから、怖くなかったし」


「朔くんには、もっと迷惑かけても良いと思うよ。尚はそうじゃないって言うけど、頼るって意味でもあるし、頼られると嬉しいじゃん?」





もう引き返せない。一度言ってしまったから、私の頑固な性格上、みづきの言葉には頷けない。