三対一で反抗してくるのはずるい。


追い詰められたら、何もできないに決まってる。とどめを刺されるのを待つだけなんて。




携帯でみんなに連絡しようと思って、スカートのポケットを探ったけど、トイレに行くからと二人に預けたかばんの中に入れたことを忘れていた。




「向井さん…、ここまでしなくても。理由も分からないのにこんなことされても、納得できません」


「理由なんて、悔しいからよ。妹が死んでから、誰のせいでもないって自分に言い聞かせてた。彼自身にも幸せになってもらわないと。でも、彼の性格知ってるでしょ?女の子を頻繁に変えて、私の妹のことなんて忘れてる。そんなの、妹が可哀想すぎる」


「そんなの、私じゃなくて直接言えば…」


「直接言ったって、意味ない。だから、遠回しにでも私の存在が目に入れば、思い出してくれると思ったの。でもダメみたいだし、あなたは妹のことなんて聞いてないだろうから、都合が良いと思って」