「もっと俺のこと、見てほしい。もっと俺に夢中になって…」


「朔、くん…」





哀しげな表情に吸い込まれて今度はゆっくり朔の顔が近づいて、私も抵抗しなかった。


朔の胸に置いていた手は剥がされて、朔の手に包まれたまま、目を閉じた。




今は忘れたい。向井さんの嫌がらせのこと、亜季さんのこと。


朔のペースに必死について行った。