「おい洸、茅柴に引っ付くなよ。堂々と不倫か?」




朔よ、空気を読んでくれ。


今私と矢吹くんの間に入るのは、まずい。




「遼太郎は、空気読まなさすぎ。今尚ちゃんと、丁度良いところだったのに…」


「森沢!洸が不倫してる」


「は!?誰と?」


「千里、違うんだよ」





嘘をついてくれた矢吹くんだったけど、惜しくも上手くいかず、千里に耳を引きちぎられそうな勢いで引っ張られながら、私から離れていった。


ほんの少し微笑ましくなった空気に、私の心も落ち着くと、朔が覆い被さってきて、大きくよろける。