「うーん…。遼太郎は誰かから恨まれるみたいな、捨てる付き合い方はしてなかったからな。女の子同士の争いもなかったし」


「そっか。じゃあ、本当にどこかで会ったことあるのかも」


「あ、名前とか分かんないの?中学の時なら、それなりに覚えてる」


「本当に!?名前は向井夏実さんだよ。多分歳が一個上なんだよね」





向井さんの名前を出した途端、大きく目を見開いて、いつものふざけた矢吹くんは一瞬でどこかへ消えた。