「尚、どうした?」



私と向井さんのやり取りを少し後ろで見ていたみづきが、私の肩に手を置く。




「あの人、画鋲の犯人」


「え!?綺麗すぎて犯人に見えないけど…。尚に恨みでもあるのかな?」


「いや。会ったことないんだよね」


「会ったことない人に、画鋲入れる?」




みづきの言う通り。どこかで会ったことがあるというだけで、画鋲を入れるほど人を恨むだろうか。