今日の帰りは一人だ。


久しぶりに一人で帰るとなると、話し相手が居ないので口が寂しい。



朔は私が飽きないようにと、話のネタをたくさん持ってくれている。


そんなことしなくても、朔と居るだけで楽しいのに。朔には言わないけど。




下履に履き替えるために下駄箱を開けて、靴を取り出そうと靴の踵部分に指が触れた時、強い刺激が指に走った。


反射で手を引っ込めたけど、指先は血が垂れてきてジンジンと痛い。




「……画鋲」