「よし。帰ろ」




もう誰も来ないことを願って、戸締まりを終えて職員室に鍵を返した。




「毎日茅柴が戸締まりしてないか?」


「先生も、プライベートが忙しいんじゃないですかね」


「茅柴は無理してないか?」


「全然。むしろ毎日図書室に居れて、嬉しいんで。じゃあ、さようなら」


「おう」





基本、のほほんとしていることが多いけど、生徒が目の前に居ないと、目を少しつりあげて忙しなく動いている先生。



それでも、資料とパソコンを交互に見ながら、私が帰る時には顔を上げてくれてニコッと見送ってくれた。