ほんの少しの間の会えなかったもどかしさとか、理由の分からない遅刻の不安は、一気に吹き飛んだ。




「茅柴、朔。お前ら仲良いのは良いことだけど、授業には集中してくれよ。先生の気が散るだろ」




そっちなんだっていう不思議な注意を受けて、朔と二人で小さく笑った。




寂しいと思っていなくても、朔が隣に居れば不安に思うことは何一つなくて、どんどん幸せが積まれていく。


でもその幸せも積みすぎると、いつか崩れる。




もうヒビは入り始めていたのに。


気づかないなんて。