余計なことを考えていたら、古文の朗読の順番が回ってきていることにも気づかなかった。 苦手なのに、先生の説明も聞いていなかったから、読めるわけがない。 「…読めません」 また大きなため息を吐かれた。 先生、ごめん。今は古文を勉強してる場合じゃないんだ。 「まぁ茅柴は、朔に教科書見せてあげてるから仕方ないことにするか。じゃあ朔が代わりに読め」