丁度撫でやすい腰の位置に朔の頭があったから、手を置いてみた。



大人ぶってカラーを何回もしたせいで、ジリジリと髪の毛は傷んでいて、全体的に指が通りきらない。





何をしても治らなさそうな髪質だけど、短く切られてワックスは付けられていない自然な癖毛を梳くように朔の髪に触れると、嗚咽とともにお腹のあたりが冷たくなってきた。






「大丈夫…。きっと乗り越えられるよ。急がなくて良いから」


「……ありがと」






こういう時に、図書室の不人気は有り難い。


堂々と朔を慰められる。




普段だとこんな体制は恥ずかしくて仕方ないけど。