でも、今の朔の反論を聞く限り、絶対に忘れていないし引きずっている。


このまま私が前向きな返事をしたところで、ほんの少しずつ誰も分からないところで溝ができて、気づかないまま真っ二つに壊れる。




「何で今そんなこと言うわけ?今まで何もなかったじゃん。俺の我儘にも付き合ってくれてたし、遊園地だって楽しんだじゃん」


「うん。確かに何で今って思うと思う。私も今まで何も思わなかったし。最初は怖い人だって思ってたから、振り回されて焦ってた。でも可愛いって言ってくれたり、好きって言ってくれるところが私も好きだし、すごく嬉しいの。

だからこそ、今の朔くんの小さい変化に気づける。朔くん、まだ元カノさんのこと引きずってるでしょ?さっき、そうなんじゃないかなって急に思ったの。たまに悲しくなるんじゃない?」