思わず目を瞑って、変な声が出てしまわないように願った。




力が入らないまま、朔が離れると後ろに倒れそうになった。





「かなこちゃんと仲が良いなら、これをやってみろ」


「チューしたら良いんだね。やってみる!…あ、ママ!パパ!」





純粋で小さな男の子に、何て教育をする気なんだろう。


でも力が抜けたままだから、怒ることもできずに、男の子の両親が迎えにきた。




私たちに深くお辞儀をしてくれると、迷子センターの人にもお辞儀をして何やら話していた。