ニヤッと私に笑いかけると、〝好き〟とだけ聞こえて、唇が重なった。 迷子センターの職員さんも居るし、こんな小さい男の子を挟んで何てことを。 押し返そうと胸に手を置いたけど、朔が食べるように私の唇をはむっとした途端、またお腹がキュッとなって、力が抜けた。 私の下顎に手を添えられると、力が抜けたままなので、されるがまま。 唇に隙間ができると、舌が捩(ね)じ込まれる。 温かい朔の舌が、私の舌を絡め取ったり歯をなぞったり。