「少年は、好きな子居るの?」


「うん、居る!かなこちゃんって言うの」


「かなこちゃんか。じゃあその子を、これからも守ってあげないとな。男はな、好きな女の子を全力で好きになるのが仕事なんだ」


「そうなの?僕、かなこちゃんのこと、大好き」


「そうか。でもかなこちゃんにも好きになってもらわないとダメだぞ?俺はこのお姉ちゃんが大好きで、お姉ちゃんも俺のこと好きって言ってくれたんだ。格好良いとこ見せて、ドキドキさせるんだ」


「どうしたら良いかな?」


「そうだな…。あ、これはどうだ?」




突然始まった男同士の会話に、あまり入らずに聞いていようと大人しく間接キスのことを考えていると、




「茅柴」




名前を呼ばれて朔の方を見る。