迷子のお知らせアナウンスが聞こえてくると、戻ってきた男の子が、〝パパとママが来るまで、ここでお姉ちゃんたちと待ってなさいって〟と嬉しそうに駆け寄ってきた。





「そうなの?じゃあ、待ってようね」




私と朔の間に男の子を座らせてあげて、寂しくないように話しかける。




「さっきは助けてくれて、ありがとうね」


「お姉ちゃんも、助けてくれてありがとう」




迷子になって泣いていた時から顔つきが変わって、朔のおかげかキリッとしている。



独り言を終わらせたらしい朔も、男の子の頭を撫でて、さっき買ってくれた飲み物を一つ渡していた。