しばらく歩いていたら何とか見つけて、そこの職員さんに事情を説明して引き継ぐ。



男の子が自分のことを話している間、私と朔は端っこにあるセンターのベンチに腰掛けた。





「迷子のお姉ちゃんは、彼氏の呼び出ししなくて良いの?」


「もう…。恥ずかしいからやめて」





あの時の私を弄(いじ)るように、腕でツンツンと突いてきた朔。



でもすぐに真剣な表情になった。





「あの時、怖かったんだろ」


「うん。男の子を助けないとって思ったんだけど、迷子センターの場所が分かんなくて。方向音痴なの、忘れてた。でも朔くんが来てくれて、あの男の子に話しかけてる時、お父さんみたいで格好良かった」


「俺と茅柴の将来像が見えた?」