「…茅柴!」


「朔くん?」






飲み物を両手に持って走ってきたのは、朔だった。



あぁ、良かった。




そう思ったら立てなくなって、朔に笑われる始末。




「おい少年。お姉ちゃん困ってるな。男なら女一人助けられないなんて、情けないぞ?」


「…お姉ちゃんを助ける!僕が助ける!」


「よし!偉いな。じゃあお姉ちゃんの手を握ってあげて。茅柴、立てるか?」


「ごめん。朔くんの顔見たら、安心しちゃった」





何とか震える足を立たせて、男の子と手を繋いだ。



朔は周りを見ながら、迷子センターを探してくれている。