「何か娘を嫁に出したみたいな気分。私も幸せ…。尚、おめでとう」




涙目のみづきが、私に抱きつく。


勢いよく抱きつかれたから、さっき朔が直してくれたカッターシャツが少し乱れた。





その様子を見た千里が、私の異変に気づく。




「尚。その首の赤いのって…」


「え?赤い?蚊に刺されたのかな」


「いや、そうじゃないでしょ。それ…、キスマークじゃない?」


「え、キスマークって…。朔くん、尚にやったね?」


「何か悪い?ギリ見えにくい場所だろ?」





勝手に話が進んでいるけど、首が赤いとかキスマークとか身に覚えがなさすぎて、何の話か飲み込めない。