一日おいて次の日の朝、予告通り航輝さんからテレビ電話があった。

 ロンドンと東京の時差は九時間。東京の方が九時間早い。ロンドンは夜の十一時だ。

 子どもたちには前もって伝えていなかったから、私がノートパソコンに映る彼を見せると大はしゃぎ。

「あっ! おにーしゃん」

 彼の顔を見ると、恋しさが募る。

【翔真、大空。おはよう】

「おはよー」

 手を振りながらぴょんぴょん跳ねる子どもたち。

 朝はなにを食べたとか、おみやげはなにがいいかと話をして、電話を切った。

「ママー、おにーしゃん。あといくつで、くるの?」

「あとみっつだよ」

 一生懸命一本ずつ指を立てて「ひとつ、ふたつ」と数える子どもたちを祖父に預け、店に行く。

 残り三日か。早いな。

 なにひとつ答えを見いだせないまま、すでに二日も消費したのかと、ため息が出た。

 とにかく今はせっせと働こうと、スタッフルームの中でストレッチをしていると、お客様が入ってきたらしい。

「いらっしゃいませ」