双子だったので出産前に入院したりと大変だったし路頭に迷わずに済んだのは祖父母のおかげにほかならない。

だが、いつまでも甘えてはいられない。

 私がここを出ると言ったら、祖父母は予定通りここを手放すだろうし、もし私が本気で続けるなら、覚悟を決めなきゃいけないのだ。祖父母から買い取るくらいの気持ちで。

 私にそれができるのか。

「どう? 通販売れてる?」

 祖母がひょっこりと顔を覗かせた。

「うん。ネックレスがいくつか」

 画面を見せながら売り上げ状況を説明する。

「有料なのにプレゼント用の包装を頼んでくる人が多いの」

「なるほど。贈り物にしてくれるのね」

 それから少し話をして、祖母は持ち場に戻った。

 ひとまず悩むのは後回し、お店にいるうちは集中しないと。

 今日は天気がいいせいかお客様の入りがいいようだ。「いらっしゃいませ」と、祖母の明るい声を聞きながら、販売サイトに新たな商品をアップし、売れた商品の梱包をしていると、瞬く間に時間が過ぎていく。