三学期の間に私達の関係が修復されることはなかった。

かっちゃんもゆうれいも別々の友達と笑っていたし、
ニカにはちゃんとおはようもバイバイも言えないまま毎日を繰り返した。

なぜか、こころちゃんとだけは挨拶を交わす程度には、普通のクラスメイトになった。

親友だからとか好きなひとだからとかは関係なくて、人に優しくなろうって思った。
誰かだから、とかじゃない。

私の中に無かった誠実を、愛情を育むことができたら、
いつか大切だった人にも伝えることができるって信じて生きていきたくなった。

一番、大切だった人達にはもう伝えることはできなくても。
その人達が教えてくれた、人を守る怖さや強さを、いつかできる最愛の人へ伝えていけるように。

ゆうれいは私の逃げ場所になるって言った。
どれだけ利用されても、傷つけられても。

ゆうれい、やっぱ変だよ…。
本気で誰かを好きで、その人の心を救うために自分を傷つけようとしていたゆうれいの間違った強さを抱きしめてあげることができていたら、今も一緒に笑い合えていたかもしれない。

私はその残酷な優しさを利用したんだ…。
もう元には戻せないけれど、
今だって変わらずに、もっと強い気持ちでゆうれいの幸せを願っている。

そんなことはもう信じてもらえないかもしれないけれど。

これが小説や漫画なら、どんな苦難だって乗り越えて、
ヒロインとヒーローの恋がきれいに実って、めでたしめでたしで終われたのかな。

でもこれはきれいで胸がキュンとしちゃうような、小説でも漫画でもない。

汚くてずるくてクズだった、バカな私の人生だから。
誰かを守りたいとか強くなりたいとか、そんな大それたことを決意するよりも、
私は私の人生に責任を持てる人間になるんだ。

親友が、大好きだった人達が、いつかまた私と出会ってくれたときに、変わったねって笑ってくれるように。