「特別なにかするってわけじゃないけどねー。ちょっとイルミネーション見に行ってからケーキ食べるだけだよ」

「そっかー。クリスマス、初めてだもんね」

「そうなんだよね。まさか黒崎とクリスマスとか変な感じ」

「うれしいくせに」

「うっさーい!結芽こそどうすんのよ。まさか引きこもり?」

「あ、バカにしたでしょ?」

「別にしてませんよー。ただ一緒に居てあげれなくて申し訳ないっていうか」

「申し訳ないって思われたほうが惨めなんですけどね?」

「ごめん、ごめん。寂しくなったら混ざってもいいんだからね?」

「はいはい。お気持ちだけ有難くいただきます」

ニカは知らない。
私とかっちゃんが一緒に過ごすってこと。

でも冬休みが明けたらそろそろ話してもいいかもしれない。

今度こそちゃんと真剣に恋愛してるんだって。
ニカには認めて欲しいから。

ニカと黒崎くんが教室を出て行って、私は一人になった。

かっちゃんはおうちの用事があるから今日は急いで帰ってしまった。

一人で残ってる理由もないし、私も教室を出た。