「ニカちゃんの彼氏ってどんなひと?」
白浜までのバスに揺られているときだった。
登校するときとは違って、ゆったりした時間が心地よくて眠ってしまいそうだった私の肩にゆうれいがこてん、と頭を乗せた。
「ねー、フツー逆」
「なにが?」
上目遣いで私を見るゆうれいの頭を持ち上げて、
今度は私がゆうれいの肩に頭を乗せた。
「女の子がこっち」
「いいね、それ」
冗談のつもりだったのにゆうれいは私を覗き込むようにして微笑んだ。
反射的にパッと頭を上げた。
ビビったんだ。
キス、されちゃうかと思って…。
バスはガラガラなのに私達は一番後ろの一番広いシートの隅っこに、二人でぽつんと座っていた。
席はいくらでも空いてるのに。
「で…!?ニカがなんだって?」
「あー、いや。ニカちゃんってどーいう奴と付き合ってんのかなって」
「好きなの?」
「好きって?」
「ニカのこと」
「違うわ!」
「なんでいきなりそんなこと気になんのよ」
「別に深い理由はないよ。あんま聞いたことなかったなーって思っただけ!」
「へぇ?でもまぁ…私もよく知らない」
「は?」
「私もあんまり聞いたことない。っていうか、ニカの彼氏のこと、いちいち真剣に聞いてたらキリないよ」
「なんで?」
「聞いた次の日には変わってたりするから。あんまり長続きしないんだよね。元カレ達に共通点があるとすればー…顔がイイってくらいかな」
「あはは。面食いなん?」
「うん、そうだね。食える顔さえついてりゃいいって感じ」
「あはははは。なんだよそれ」
ゆうれいがまた私の肩に頭を乗せた。
私ももう振り払わなかった。
気持ちよさそうにまぶたを閉じたゆうれいのまつげが窓からの太陽の光でキラキラ反射している。
女の子みたいな顔。
こんなにきれいな顔で気さくなのに、ゆうれいは彼女を作らない。
その気になればニカといい勝負だろうなぁなんて考えてしまって、
おかしくなってちょっと笑ってしまった。
白浜までのバスに揺られているときだった。
登校するときとは違って、ゆったりした時間が心地よくて眠ってしまいそうだった私の肩にゆうれいがこてん、と頭を乗せた。
「ねー、フツー逆」
「なにが?」
上目遣いで私を見るゆうれいの頭を持ち上げて、
今度は私がゆうれいの肩に頭を乗せた。
「女の子がこっち」
「いいね、それ」
冗談のつもりだったのにゆうれいは私を覗き込むようにして微笑んだ。
反射的にパッと頭を上げた。
ビビったんだ。
キス、されちゃうかと思って…。
バスはガラガラなのに私達は一番後ろの一番広いシートの隅っこに、二人でぽつんと座っていた。
席はいくらでも空いてるのに。
「で…!?ニカがなんだって?」
「あー、いや。ニカちゃんってどーいう奴と付き合ってんのかなって」
「好きなの?」
「好きって?」
「ニカのこと」
「違うわ!」
「なんでいきなりそんなこと気になんのよ」
「別に深い理由はないよ。あんま聞いたことなかったなーって思っただけ!」
「へぇ?でもまぁ…私もよく知らない」
「は?」
「私もあんまり聞いたことない。っていうか、ニカの彼氏のこと、いちいち真剣に聞いてたらキリないよ」
「なんで?」
「聞いた次の日には変わってたりするから。あんまり長続きしないんだよね。元カレ達に共通点があるとすればー…顔がイイってくらいかな」
「あはは。面食いなん?」
「うん、そうだね。食える顔さえついてりゃいいって感じ」
「あはははは。なんだよそれ」
ゆうれいがまた私の肩に頭を乗せた。
私ももう振り払わなかった。
気持ちよさそうにまぶたを閉じたゆうれいのまつげが窓からの太陽の光でキラキラ反射している。
女の子みたいな顔。
こんなにきれいな顔で気さくなのに、ゆうれいは彼女を作らない。
その気になればニカといい勝負だろうなぁなんて考えてしまって、
おかしくなってちょっと笑ってしまった。