「あれ…あんた達仲直りしたの?」

「ニカっ…おはよう」

「あー、昨日放課後ちょっと話したんだよ」

サラッと言ったかっちゃんの顔を見守った。
内緒にしようねって言ったのに、もうニカには話しちゃうのかなって思った。

「話せたのはよかったけど…風はもういいの?」

「誰かに怒り続けることって疲れんじゃん。カロリー消費したくないし」

「カロリー?変なの」

「省エネがモットーなので。ま、結芽を追い詰めた責任、ちょっとは俺にもあるかなって思ってさ」

「ふーん。本人達がいいならいいんだけど。結芽、よかったね」

「うっ…うん!ありがと」

「じゃあまた風がお世話係かー。お疲れ様でっす!」

口角を上げて笑いながら、ニカは登校してきた黒崎くんのほうに行ってしまった。

「ニカ、認めてくれてよかったな」

「仲直りをね」

「ん?言いたかった?彼女になりましたって」

「そんなことないよ!もー、かっちゃんももうちょっと周り気にして…」

「あはは。焦ってる焦ってる」

かっちゃんが楽しそうなら何よりだけど、
私とかっちゃんがまた仲良さそうに喋ってるから遠巻きの女子達は集まってこない。

その代わりにいくつもの視線が向けられていて、この感じ懐かしいなって思った。

「今日さ、図書室に借りてた本返しに行かなきゃなんだ」

「そっか。どっかで待ってようか?」

「一緒に行こ」

「でも校内でずっと一緒に行動してたら怪しくない?」

「前はよくしてたじゃん。“元に戻った”んだから普通だろ?」

「…そっか。じゃあ放課後ね」

「んー」