「結芽、おーはよ」
「ニカ!おはよ」
「教室、入んないの?」
私よりもちょっと後に登校してきたニカが、教室のドアの前に立ち尽くしていた私の肩にぽんって触れた。
私の後ろから教室を覗いたニカが「あー」って苦笑いした。
「もう。変に勘繰らないでよ」
「アレが原因じゃないの?」
拗ねるように廊下に視線を落とした私に、ニカは顔をちょっと動かして教室で喋っているかっちゃん達を示した。
いつも通りの光景。
かっちゃんと、かっちゃんの机の前にしゃがんで喋るゆうれい。
かっちゃんの隣には市原こころちゃん。
こころちゃんも一年生から同じクラスだった。
今までの朝の光景は、こうじゃなかった。
二年生になって、最初のホームルームでさっそく席替えをした。
かっちゃんの隣の席がこころちゃんになった。
新学期から一週間。
楽しそうにお喋りをしているかっちゃんとゆうれいを可愛くて穏やかな笑顔で見つめているこころちゃん。
この光景が恒例になった。
かっちゃんは高校生になってから早起きが得意になった。
二年生に進級してからの一週間は、もうちょっとだけ早起きになった。
こころちゃん。
かっちゃんの好きなひと。
好きなひとに毎朝誰よりも早くおはようを言うために、
かっちゃんは変わった。
「ニカ!おはよ」
「教室、入んないの?」
私よりもちょっと後に登校してきたニカが、教室のドアの前に立ち尽くしていた私の肩にぽんって触れた。
私の後ろから教室を覗いたニカが「あー」って苦笑いした。
「もう。変に勘繰らないでよ」
「アレが原因じゃないの?」
拗ねるように廊下に視線を落とした私に、ニカは顔をちょっと動かして教室で喋っているかっちゃん達を示した。
いつも通りの光景。
かっちゃんと、かっちゃんの机の前にしゃがんで喋るゆうれい。
かっちゃんの隣には市原こころちゃん。
こころちゃんも一年生から同じクラスだった。
今までの朝の光景は、こうじゃなかった。
二年生になって、最初のホームルームでさっそく席替えをした。
かっちゃんの隣の席がこころちゃんになった。
新学期から一週間。
楽しそうにお喋りをしているかっちゃんとゆうれいを可愛くて穏やかな笑顔で見つめているこころちゃん。
この光景が恒例になった。
かっちゃんは高校生になってから早起きが得意になった。
二年生に進級してからの一週間は、もうちょっとだけ早起きになった。
こころちゃん。
かっちゃんの好きなひと。
好きなひとに毎朝誰よりも早くおはようを言うために、
かっちゃんは変わった。