その日から、なんの違和感もなく、最初からずっとそこに居たみたいにあっさりと、
ゆうれいは私達の中に居るのが当たり前になった。

かっちゃんとゆうれいはあっという間に親友になって、
私にもすぐにクラスに親友ができた。

菊池(きくち)ニカ。

すごく小さい骨格に、ミルクティーブラウンのショートカットがよく似合う活発な女の子。
眉毛よりも短い前髪で大きなくりくりの目が余計に映えて、私はニカの写真を撮るのが好きだった。

ニカが何かをするたびにスマホでパシャパシャ撮っていたら、
「まーた撮ってるの?」なんて言って表情をしかめるくせに、
「だって可愛いんだもんっ」って笑いかけたら、「しょうがないな」っていろんなポーズを取ってくれるノリの良さも大好き。

ニカでいっぱいになった私のフォトフォルダを見ては、「親かよ」なんて言って笑っていた。

二年生になっても奇跡的に私達四人は同じクラスだった。

どんどん更新されていく、私とかっちゃんの記録。
なんにも進展しない、二人の関係。

呆れたように見守ってくれているニカとゆうれい。

この関係性は心地いい。
かっちゃんとの特別な空気感が壊れることも怖い。

だったらこのままでいい。

恋には失恋の可能性があって、いつか終わってしまうかもしれない。
でも友達なら終わらない。

そうやって逃げ続けて、私は変われないまま何年もこうやって過ごしてきた。

少女漫画や映画みたいにはうまくいかない。

現実の恋なんてなんにも甘くないなんて、不貞腐れる私の恋だ。