「えっと…二人はもう仲良しなの?席、離れてるのに」

「体育館から退場したあと、バラバラに教室に戻っただろ?そこで横に怜が立っててさ。髪色すげーなって話しかけちゃったんだよ」

「へぇ。コミュ力たか…」

「ゆめも相当だよ?」

「え?」

「フツー初対面でゆうれいなんて言わない」

「う…ごめんなさい」

「あはは!ジョーダンだよ」

「だーかーらー、結芽を困らせんなって」

「…二人は付き合ってんの?」

「えっ!?」

思わず大きくなってしまった自分の声。
慌てて口元を手のひらで押さえた。

「違うよ。幼馴染ってほど古くもないけどさ。中一からずっと一緒なんだ。すげー気が合うんだ。だから一緒に居てラクなの」

一緒に居てラク。
それは喜ぶべきなのか、女子として落ち込むべきなのか、よく分からない。

「…ふーん?ゆめもそうなの?」

「え?…うん、そうだよもちろん」

「へぇー?」

意味深に私を見て小首を傾げたゆうれいから目を逸らした。

初対面なのに見透かしたみたいな目が怖かった。