彼がそう言って私を引っ張り起こした。そして、歩けることを確認すると、タクシー乗り場へ私を支えながら連れて行った。

 タクシーを待っている間にこう言った。

「川村の気持ちはさっきのでわかった」

「違うの、そうじゃない。並木さんのこと私だって……」

「じゃあ、つきあってくれるか?」

「あ……」

「だめなのか?」

「そうじゃないです。私さっき……」