久しぶりのキス。酔っていたせいだろうか、とても気持ちよかった。拒めなかった。私も彼を好きだとわかったからだ。

「……ん」

 彼が身体を寄せてきた。私は我に返った。そして彼の胸をどんっと押し返した。

「……っ!」

「ごめんなさい。全部私に問題があるんです。並木さんは何も……」

 そういって、彼の腕をのけて走り出した。ただ、酔っていてすぐによろけて転んでしまった。

「痛っ!」

「バカ!大丈夫か」