「どうした?……あ、ごめん、なんで……」

 私は被りを振った。

「俺が嫌い?」

「嫌いなわけないじゃないですか……」

「じゃあ、どちらかと言えば好き?」

 私は口に出せなくて、小さくこくんと頷いた。

 すると、彼は近づいてきて私の顎をとらえ、そっと合わせるだけのキスをした。

 彼は軽いキスをした後、私をじっと観察していた。そして、私の彼を見つめる目を見ると、ゆっくりともう一度きちんとしたキスをしてきた。