「振ったというか、だから冗談でしょって返しました。それだけです。それに、相川君は私にとって得難い飲み友達です。喧嘩もするし、愚痴も言う。以前同じ部だったから、特に親しい同期のひとりです」

「相川にそう言ったのか」

「そうですよ」

「ふーん。あいつも女性関係が華やかそうに見えて、不器用なんだな。ま、いいけどね。俺にとっては好都合だ」

「何が好都合なんです?ひどいこといいますね」

「君も鈍感だな」

「え?」