吐き捨てるように言う。何もそんな風に言わなくてもいいのに。

「落ち着けよ、信也。お嬢さん、これは俺からのプレゼント。でもここまでだよ。信也に恨まれたくはないからね。これでも親友なんだ」

 そういって、フルーツを切ったものを小さな透明な飾りボールに盛り合わせてくれている。きっと特別に作ってくれたんだろう。

「ありがとうございます」

「あれ、かわいい、その笑顔。そうか、そうか……信也の気持ちもわからんではないな」

「しっ、しっ、どっかいけ」

 並木さんが追い払うように手を付けて言う。苦笑いのバーテンさんがいなくなった。

「なあ、川村……ちょっと小耳に挟んだんだが、彼氏を作りたがらないって本当か?」