「そう。見抜かれてた。前の男と俺は違うって言われたの。でもその通りだった。私が彼と離れたくなくてすべてを話してしまった」

「ふざけやがって、俺だってお前に秘密があるって言われたら、同じように待つって言ったさ」

 相川君はまたお酒を飲もうとしたので、私はグラスを抑えた。

「おいっ、川村お前……」

「それくらいにして、相川君。今まで支えてくれてあなたには本当に感謝してる。加菜もありがとう。ふたりが私を支えてくれていたんだ」

「凛花」

「あーあ。まさか、こんなことになるとは思わなかった。大体、あの人がノアケミカルの御曹司だったなんて俺は本当についてない。認めたくないがあの人はいい人だよ。それは事実だ」