「それもあって、男性と近づくのが怖かった。初めて告白されて付き合った人を拒み続けて、浮気されたの。もう、それ以降どうでもよくなった。彼氏はいらなくなったの」

「そんな……どうして教えてくれなかったんだ。俺は、別に……」

「相川君はいつも明るくて人気者で、こんな暗い話をする相手じゃなかった。あなたの前では元気で生意気な私でいたかった。ただそれだけよ」

「お前……」

「彼が仙台から転勤してきて、最初に食事をした夜帰り際に告白された。付き合ってほしいって言ってくれたの」

「え?最初の日だったの?すごい、そんな早くから……そうか、前から北野さんのことで電話してたって言ってたものね」