「……ママ……」
「あー、良かった。あなたが一時的に周りをわからなくなっているかもしれないと言われて。さすがにママはわかるわね」
「……わたし……」
「あなた、どうして工場にいたの?本社の人事部所属だったわよね。異動したなんて聞いていなかったわ」
「……こう……じょう?」
母は私の返事を聞いて不安そうに眼を見開いた。
「凛花……大丈夫?とにかく先生を呼ぶわね」
「う……ん」
「パパも夜には来るわ。それと、会社の部長さんという人が来て謝られたわ。なんか色々あって異動になったとか言ってたけど、よくわからなくて……」