「あ、頭を上げてくれ九条……! そうだよな、九条の妹も頑張っているんだもんな……! わかった、先生は普通の評価を付けるから……!」

「……ありがとうございます」



笑顔を浮かべると、周りが騒がしいことに気づいた。



「ちょっと、今の見ました?」

「ええ。あの高貴な方が、出来損ないの妹なんかのために頭を下げて……」

「とても良いお姉様ですわね」



周りにも“いい人”と認識され、一石二鳥。



「でも妹様も成績は上位なのでしょう? でもまあ、あれほど優秀なお姉様がいたら私は死にたくなりますわね」

「……」



聞こえた言葉に、肩がビクリと反応した。