ついに爆発したよう。

ここで私が口を挟めば、『蓬に悪知恵を与えたのはお前か』と言われ、追い出されてしまうかもしれない。

そう思い、慎重に動かなくては。



「……して」

「なんだ、橙華」



橙華はゆっくりと立ち上がり、無表情で父親を見つめた。



「いい加減にして!! 高い学費を払って通わせてやってる? 誰がそう頼んだのよ。どうせ世間体のために通わせているだけでしょ」



私は息を呑んだ。

まさか、橙華が反論するなんて。

今まで罵られ、馬鹿にされてもずっと無言だったのに。

そして、久しぶりに橙華の声を聞いた気がする。

しかし、案の定。



「お、親に向かってなんだその態度は!!」



その言葉を聞いて、私は腸が煮えくり返りそうだった。

……その態度が? 自分たちが馬鹿にするからでしょうが。