なんていうか……、いつもと明らかに違う。
負のオーラをまとっているーー、と言いたくなるような感じだ。
「……」
「華乃音? 華乃音ってばぁ、」
「……うるさい」
「え?」
「うるさいって言ってるの! 聞こえないの!?」
華乃音の突然の怒鳴り声に、教室がシーンと静まり返る。
私も、今まで見たことない華乃音の様子に、肩が思わず震えた。
「か……のん?」
すると、華乃音はようやく自分のことに気が付いたのか、顔をサッと青くする。
素早く荷物をまとめて、華乃音は足早に教室を立ち去った。
神谷くんと私がキスしたことは知られてないはずなのに……。
ましてや、告白されただなんていってないのに……。
華乃音、どうしちゃったんだろう……?
頭の中で、グルグルと疑問を渦巻かせる私。
仕方なく、私は今日は、ひとりで帰ることにした。
ーーだけど、家についてからしばらく経っても、華乃音は口を聞いてくれなかった。