そんな無力な私を見下ろし、黒堂はにやりと笑う。
「その反応、もしかしてまだ楪に抱かれてないのか?」
「あ、あなたには関係ないっ……」
「ははっ、笑える。あいつがそんな奥手だったとは。相当大事にされてるんだな。壊しがいがあるよ」
黒堂の手が私の制服のネクタイを強引に解く。
琥珀くんに触れられるとあんなにどきどきするのに、黒堂に触れられるのはただ気持ち悪いだけで嫌悪感が広がる。
「よく見ると可愛い顔してんじゃん。興奮してきた」
やだ……っ。
助けて、琥珀くん――。
涙の滲む目をぎゅっと瞑った時だった。
――ガンッ!
突然爆発音のようなものが聞こえたかと思うと、部屋の中に明かりが差し込んだ。