本当は怖い。

今にも身体じゅうが震えてしまいそうなほど。

多分、少しでも気を抜けば、目からは涙がこぼれるだろう。


でも私は瞳の奥に力を込め、黒堂の瞳を強く見返した。


「いやです」

「は?」

「私の身体は琥珀くんのものなので」

「あんた、自分の立場わかってんのか?」

「わかってます。でも絶対に従いません」


死なない、こんなところで。

琥珀くんの手でしか、殺されたくない。


それに琥珀くんはきっと、ううん、絶対に助けに来てくれる。