「ごめんね、莉羽てぃん。私のせいで……」


私の手を握り、しょぼんと項垂れる環。

さっきの悪口を聞いて、心を痛めたんだろう。

環が気にすることじゃないのに。


私は心優しい親友に笑いかけた。


「環のせいじゃないよ。私が自分の意思でやってることだから」


大好きな環のためなら、いくらでも嫌われ役を買って出るつもりだ。


それでも時折、心の端っこがきりりと絞めつけられるように痛むことがある。

そんな時、"鉄仮面"は私の臆病さも弱さも隠してくれるのだ。