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夕食後、「先に入ってて」と琥珀くんに言われ、私は洗面台にいた。
着ていた制服を脱ぎ、下着姿になったところで、洋服を脱いでいた手が止まる。
やっぱり決心できないかも……。
だって、洗面台の鏡に映るのは貧相でとても綺麗とは言えない身体。
胸だって小さいし、スタイルがいいわけでもないし、色気なんてひとつもない。
多分、愛人に求められてるのはもっとこう、グラマラスな身体だと思う。
それにお父さんから振るわれた暴力の痕が痣となって身体じゅうに残っているし、おまけに胸元には大きな切り傷。
高1の時に交通事故に遭い、その時の傷が痕になってしまったのだ。
結構大きな事故で、一時は生死の境を彷徨った。
今はもうなんの支障もないとはいえ、身体に残った傷跡は痛々しく。
汚いなぁ、私の身体……。
昨日はバスローブという布があったからよかったものの、こんな身体を見られたら、ただでさえ魅力なんてないのに、さらに幻滅されるかも……。
そしたら今度こそ捨てられるかもしれない。
私にはもうここしか行き場がないのに。